やましろ健康医療生協

健康あれこれ

 これだけは知っておこう 2003年度やましろ医療生協ニュース掲載

義歯の役割

 義歯は、失われた歯、歯を支える骨などの硬組織と歯肉、口腔粘膜などの軟組織の代わりとなる人工臓器です。したがって、義歯はこれらがもっていた機能を回復するものでなければなりません。「なぜ義歯が必要か」ということを理解するためには、口の役割についても知っておく必要があります。

口から食べること、咬むことの重要性

〔1〕栄養摂取

 口の働きとしてまず第一に思い浮かべるのは、食べること飲むことで、体に必要な栄養や水分を摂取することがあげられます。咀嚼(噛む力)機能が低下すると、低栄養になったり胃腸障害を起こしてしまいます。咀嚼は、食物と唾液を混ぜ合わせることによって、嚥下(のみこみ)や消化吸収を助ける働きをしています。顎位が不安定な人は安定している人と比較して、食後に食べかすが多く残ってしまいます。そして、義歯を装着することになって、奥歯で安定して咬むことができ、咀嚼・嚥下しやすくなると同時に、誤嚥(誤って気管に入ってしまうこと)の防止にもなります。一方、口の中には多くの感覚受容器が存在しています。おいしいものをおいしいと感じ、満足感を得たり、また逆に、体に害のあるものや熱すぎて食べられないものを後続の消化器官に入れないなどの生体防御の役目も果たしています。

〔2〕脳の活性化

 よく咬むということは、学習や記憶などの脳の働きにも重要な影響を与えているといわれています。ある小学校で実施された咀嚼と知能に関する研究では、よく咬んで食べることによって知能の発育が促進されることが報告されています。また咬むことで脳の血流量が増加し、大脳皮質の活動が活発になり記憶や学習能力が向上したり、学習及び記憶を促進させる脳内化学物質の濃度が高まるという報告もあります。粉末食と固形食で飼育したマウスを使った実験では、固形食を咬んで育ったマウスの方が脳の老化が遅く、寿命も長かったという結果がでています。

〔3〕口から食べたい

 高齢者への欲求希望のアンケート調査で、食べることに関する欲求が高いことが報告されています。口から食べ、味覚を楽しむことによって、精神的な欲求が満たされているわけです。

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太りすぎといわれたら

 肥満とは、単に体重が重いことではなく、身体に必要以上の脂肪を貯蔵している状態をいいます。絶えず脂肪という余分な荷物を背負っているのと同じですから、長い間には内臓に負担がかかり、さまざまな生活習慣病の引き金になります。今日からでも減量を始めましょう。

 基本は食事と運動、そして規則正しい生活を送ることです。

 まず標準体重を出しましょう。

身長(  )m×身長(  )m×22=標準体重(  )s

実際の体重が標準体重の(±)10%以内ならベストです。

セルフチェック〜こんな生活習慣が肥満を招く

  • 朝食を抜くことが多い
  • 人より食べるペースが早い
  • おなかいっぱい食べないと気がすまない
  • 食事の時間が不規則
  • 清涼飲料水やお酒をよく飲む
  • しょっぱいものや、甘いものが好き
  • 満腹でもおいしそうなものは食べてしまう
  • 間食をしがちで、夜食の習慣もある
  • 外で食事をしてきても帰宅したら、寝る前でも食べる
  • いつもエレベーターやエスカレーターを利用する
  • 休みの日は家の中でゴロゴロしている

体脂肪を減らす食生活

  1. 一日に身体が必要とする栄養素を過不足なくとり、適正なエネルギー量を守る
  2. 砂糖や油脂の量を控える
  3. たんぱく質と、脂質代謝をスムーズに行うビタミン、ミネラルをしっかりとる
  4. 野菜、海藻、きのこなどの食物繊維をたっぷり食べる
  5. アルコールや嗜好品を控える
  6. 味付けは薄めにする
  7. 朝食と昼食をメインにして夕食は軽めにする
  8. 欠食をせず、食事は一日3回規則正しく
  9. よく噛んでゆっくり食べる
  10. 外食はできるだけ避け、どうしてもというときは定食ものを頼み、主食を残し、エネルギー量を調節する

 出来そうなことから少しづつ実践していきましょう。減量とあわせて運動する習慣をつけましょう。とくに、効率よくエネルギーを消費できる有酸素運動(酸素を多く取り込む運動)がおすすめです。(散歩・ジョギング・速歩・縄跳び・自転車・水泳など)

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甲状腺

 中年の女性にとても多い病気です。15〜20人に一人の割合で、程度の差はあってもこの病気をもっていると言われます。この病気は自己免疫疾患といって、自分自身の甲状腺に対して抗体が作られてこの抗体と甲状腺が反応し慢性的に炎症を起こす病気です。この炎症のために甲状腺が腫れて固く触れるようになります。腫れ方の程度は人によって様々です。腫れがひどい場合声が嗄れたり、のどの違和感を感じるようになります。熟練した医師が診察すれば容易に橋本病と診断できます。

 甲状腺に慢性の炎症が長年持続するため次第に甲状腺の働きが低下してくる場合がよくあります。甲状腺はサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)という二種類の甲状腺ホルモンを作っている臓器です。これら二種類の甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を調節する毎日の生活にとってとても大切なホルモンです。

 橋本病ではこれらのホルモンを作る働きが低下して身体の異常をきたしてくる場合がよくあります。ホルモン不足になると疲れやすく、体重が増加して、まぶた・下腿・足などがむくむようになります。このような症状が出た場合は甲状腺ホルモンがかなり不足していると考えられますから薬による治療が必要と判断されます。

 また、全く症状がなくても健康診断や血液検査でコレステロールや中性脂肪が高い場合は橋本病でないか一度甲状腺ホルモンのチェックをしておく必要があります。甲状腺に原因がある場合は高脂血症の治療薬を服用しても良くならないことがあります。その他CPKという筋肉に含まれる酵素が高くなることがあります。また心臓に水が溜まったり、肝臓の異常をきたしたりする場合もあります。

 以上のような症状や検査の異常がある場合は橋本病を疑って一度甲状腺ホルモンの検査を行なっておくことをお勧めします。また橋本病と診断された場合でも甲状腺ホルモンが正常である場合も多く、特に治療をしなくても良い場合も多々あります。甲状腺ホルモンが正常である場合年に2〜3回の血液検査で甲状腺ホルモンが下がっていないかチェックする程度でよいと考えられます。また甲状腺が固く腫れている場合年に1回くらい甲状腺の超音波検査(エコー検査)を行いガンなどができていないか調べておくようにして下さい。

あさくら診療所でも六月から甲状腺の超音波検査と乳腺の超音波検査開始

 甲状腺の異常が気になる方は一度診療所を受診してください。
あさくら診療所所長 河本一成

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バセドウ病とはどんな病気?

 バセドウ病とは甲状腺という臓器(首の前にあり、気管の前に蝉が逆さまに止まったような形をしています)の働きが異常に活発になって起きてくる病気です。手が震えたり、動悸がしたり、食欲が旺盛であるにもかかわらず痩せてきて疲れやすくなったり、目が飛び出てきたりします。原因は自分のからだの中に甲状腺に対する抗体(甲状腺自己抗体と言います)ができ、この抗体が甲状腺の働きを活発にして甲状腺ホルモンというからだの新陳代謝を調節しているホルモンが必要以上に作られ、このホルモンが様々な症状を起こしてきます。20歳から30歳にかけての女性に多い病気で、若い人の場合には動悸や手が振るえるという症状が出やすく、食欲が旺盛なので痩せることはあまりないようです。中年になってから発病すると痩せてきて疲れやすいといった症状が出やすいようです。

バセドウ病の治療法について

 治療法には大きく分けて3つあります。原則として(1)まず内服薬による治療から始めます。内服薬による治療で甲状腺の働きが数ヶ月のうちに正常になれば少しずつ内服薬を減らしていって1年から3年くらいの期間内服薬が必要なくなる程度まで治療します。内服薬による副作用で治療を継続することが困難な場合は(2)手術治療あるいは(3)放射線治療(アイソトープ治療)に治療法を変更します。また内服薬を増やしても甲状腺の働きが正常にならない場合や甲状腺の腫れがひどくて内服薬を減らせない場合も手術治療か放射線治療を検討します。それぞれの治療法には一長一短があり、年齢や生活様式、仕事の条件、美容的な側面などその人に合った適切な治療法を選ばなければなりませんから担当の医師とよく相談することが大切です。

妊娠とバセドウ病

 バセドウ病は20〜30歳代の女性に多い病気ですから、妊娠期の治療が問題になります。妊娠中に抗甲状腺薬を服用していても胎児に奇形等の異常を起こす確率は通常の妊娠と比較して同程度であることがわかっています。しかし妊婦や胎児にとって絶対安全というわけではありません。妊娠中はむしろバセドウ病の治療を優先させることが大切と考えられます。出産後に授乳させる場合、メルカゾールは4錠/日以下、チウラジールは8錠/日以下の服用量であればまず授乳には差し支えないと考えられますが、母乳中に薬が含まれることには変わりがありません。

 妊娠初期の1ヶ月から3ヶ月にかけてバセドウ病でなくても甲状腺ホルモンが高くなることがあります。これは胎盤から妊娠初期に分泌されるhCGというホルモンが甲状腺を刺激することによって起こる現象です。妊娠3ヶ月を過ぎると甲状腺ホルモンは徐々に正常化しますから心配ありません。この場合はバセドウ病と早合点せずに経過をみることが必要です。

放射線治療(アイソトープ治療)について

 最近は放射線治療を積極的に考えるようになってきています。以前は若い20歳、30歳の方は敬遠されがちでしたが、治療の安全性が確立してきています。妊娠年齢の方でも6ヶ月から1年程度妊娠を避ければ放射線治療も安全と考えられています。また授乳中は放射線治療は避ける必要があります。

あさくら診療所所長 河本一成

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甲状腺腫瘍

 甲状腺にできる腫瘍には良性と悪性のものとがありますが、良性腫瘍のうちで最も多いのが「濾胞腺腫」という腫瘍です。また悪性腫瘍のうちで最も多いのが「分化型乳頭腺癌」で悪性腫瘍の八割近くを占めます。その次に多いのが「分化型濾胞腺癌」で2割近くを占めます。この他に稀に特殊な腫瘍が見られますが、実際の診療現場ではこの3種類の腫瘍が99%以上を占めます。ですから甲状腺に腫瘍が見つかった場合、まずこの3種類以外の特殊な腫瘍なのか、この3種類のどれかの腫瘍に当たるのかの区別が問題になります。

 この3種類以外の腫瘍の場合は急激に大きくなる悪性度の高い癌の場合が多いです。また急いで治療をしければならないことが多く、生命予後も悪いことが多いと言えます。逆に先に挙げました3種類のどれかに当たると判断された場合は生命に影響を与えることは稀であり、ある程度時間をかけて治療を考えることができます。腫瘍の大きさや何時頃から出来ていたかも参考になります。また画像診断としては超音波検査が最も的確に腫瘍の状況を把握できます。また腫瘍に細い針を刺して行う吸引細胞診という検査も腫瘍の細胞の悪性度を見るのに参考になります。甲状腺の超音波検査と細胞診を定期的に行い、手術治療が必要かどうか経過を観ても良いものかの判断を行います。「分化型乳頭腺癌」の典型的なものは超音波検査でほぼ診断できます。最も紛らわしいのが良性の「濾胞腺腫」なのか「分化型濾胞腺癌」かの区別ですが、これは手術をして摘出した腫瘍を丹念に検査してみないと診断できない場合が多いのが実情です。この場合は腫瘍の大きさである程度判断しています。大体直径が3p以上の大きさの腫瘍の場合手術をした方が良いと考えられます。もちろんいろいろなケースがありますから一応の目安です。

 何れにしましても甲状腺にできる腫瘍の多くは命にかかわることが少ないため、手術が必要かどうかの見極めが重要です。言い換えれば必ず手術治療をしなければならない腫瘍を見極めることが重要です。甲状腺の腫瘍で気にかかることがありましたらご相談ください。

あさくら診療所所長 河本一成

甲状腺の超音波検査(エコー)を実施しています。(予約制)

詳しくはお問い合わせ下さい。

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レム睡眠とノンレム睡眠

 人は眠りについてから次第に眠りが深くなり、1時間半ぐらいたつと眠りが浅くなり最初のレム睡眠に入ります。レムとは眼球が速く動くという意味で、眠りとしては浅く、夢を見ていることが多いのです。

 普通の眠りをノンレム睡眠と呼び、このノンレム睡眠―レム睡眠の周期を一晩に4〜5回繰り返して眠るのです。

 一般的にレム睡眠はからだを休める睡眠で、ノンレム睡眠は脳を休める睡眠といわれます。

高齢者の睡眠

 人間の睡眠リズムは年齢が進むにしたがい変化します。高齢者のリズムは成人の時と違って深い眠りが少なくなり、しばしば夜中に目が覚める傾向にあります。そのため、日中ウトウトしたり、早い時間に眠くなったりし、その結果、朝早く目覚めてしまうという悪循環を繰り返します。

 また、脳の機能の老化によって環境の変化にうまくついてゆけなくなります。適応の幅が狭くなり、これまで気にとめなかった些細なことが気になって眠れなくなったり、眠れないことを心配して一層眠れなくなることが多くなるのです。

睡眠剤

 まず、薬を服用する前に日常生活の改善を心がけ、生活のリズムを取り戻してください。その上で薬を処方してもらってください。

 薬を服用するにあたって以下のことを守ってください。

  1. 睡眠剤は眠るためではなく、規則正しい生活のリズムを取り戻すことを目的として服用してください。
  2. 医師は患者さんの状態を観察しながら、計画的に処方しますので、必ず処方にしたがってください。
  3. 自分の判断で服用を中止したり、服用量を増やしたりしないでください。
  4. 不眠がひどくなったり、からだに異常を感じた時は必ず医師に相談してください。

 「睡眠薬は副作用がこわい、服用をはじめるとくせになってやめることができない」などと、睡眠剤を誤解していませんか?

 現在、多く使われている睡眠剤は「ベンゾジアゼピン系の睡眠剤」といわれるものが多く、より安全で、長期間服用しても、依存性の少ない薬です。また、服用を続けても効果は落ちないので、量を増やすことはありません。また、薬を突然やめると、服用し始めた頃より強い不眠が起こるため、薬がやめにくくなります。しかし、医師の指示のもと徐々に減量することで薬をやめることはできます。

 次回は、個々の薬について説明したいと思います。では、「おやすみなさい」(薬剤師)

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睡眠とくすり

 前回では、睡眠の基礎知識と簡単な薬の説明をさせていただきました。今回は、薬について、もう少しくわしくお話させていただきたいと思います。

 現在、処方される睡眠剤は不規則な服用をしたり、勝手に服用量を増やしたりしない限り、深刻な問題は生じません。しかし、脳に作用して眠りを誘う薬ですから、ごく稀に以下の症状が出る場合もあります。

翌日まで眠気が続く(持ち越し効果)

 薬を服用した翌朝から日中にかけても作用が続き、ねむけ・ふらつき・めまい・からだがだるい・うまく話せないなどの症状が出ます。

体に力が入らない(筋弛緩作用)

 力が入らず、足で体が支えられないほどふらつくなどの症状が出ます。

薬をやめると眠れない(反跳性不眠)

 毎日続けて服用している薬を突然やめると、薬を服用しはじめた頃より強い不眠状態が、数日間にわたって起こります。

夜中の出来事を覚えていない(記憶障害・健忘)

 薬の効いている間の出来事(夜間トイレに立った事・言った事・聞いた事など)を記憶していません。アルコールと併用するとこの症状が強く出ますので、アルコールの摂取をひかえてください。記憶障害(健忘)と痴呆(ボケ)は異なります。

 次に、当診療所でよく処方される睡眠剤について、お話しましょう。

 血中濃度半減期(血中で薬の有効成分が当初の半分量になるまでの時間)の長さから、超短時間型(2〜4時間)・短時間型(6〜10時間)・中間作用型(12〜24時間)・長時間作用型(24時間以上)の4群にわけられます。

アモバン錠(7.5mg)〜超短時間型〜

 速効性で持続が短いので夜間目覚めた時の追加投与も比較的安心であり、旅行時などの一過性不眠にも適します。また、睡眠パターンの改善により自然な眠りを回復することができ、筋弛緩作用が弱いです。

リスミー錠(2mg)〜短時間型〜

 切れ味は低下しますが連用による蓄積は軽度で持ち越し効果は比較的少なく、筋弛緩作用も少ないです。

ロヒプノール錠(1mg)〜中間型〜

 30分程で効果があらわれ、6〜8時間程持続しますので、寝つきの悪かったり夜中や朝早く起きてしまう方にも適しています。持ち越し効果は少ないのですが、半跳性不眠に気をつけてください。

ユーロジン錠(2mg)〜中間型〜

 反跳性不眠や不安は短時間型に比べて少なく、途中で起きてもその時間は短く、回数も少ないため、安定した睡眠が得られます。

ダルメート錠(15mg)〜長時間型〜

 半減期が47〜100時間と長く、反跳性不眠が少ないため長期間の頑固な不眠につかわれたり、睡眠剤からの離脱に利用したりします。

 以上、主な薬について一般的な作用を述べてきました。薬の選択については、不眠のタイプ・高齢者かそうでないか・原因となる病気の有無などによって、医師が処方します。ですから、勝手にへらしたりやめたりせず、必ず医師と相談してください。(薬剤師)

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インフルエンザ流行の季節になりました

 今年もインフルエンザが流行する時期になりました。インフルエンザも「カゼ」の一種ですが通常のカゼが鼻水や咳などの症状から発症し37〜38度程度の発熱であるのに対し、インフルエンザの場合は39〜40度の悪寒・高熱で急激に発症します。症状も重症化し5〜7日間高熱が続きます。死亡率は人口10万人当たり平均5〜10人ですが、特に65歳以上の高齢者では10〜45人と年齢が上がるにしたがって急激に死亡率が上がります。ですから高齢者の方は特に予防接種を受けられることをお勧めします。

 インフルエンザの予防策としては原因になるインフルエンザウイルスとの接触をできるだけ避けることが重要です。人ごみを避け、外出する時は大きめのマスクをつけるのも効果があります。また帰宅時によく手洗いをすることも予防に効果があります。また日頃から栄養バランスのとれた食事をとり、適度な運動をして体力をつけておくことも重要です。

 現在日本で使われているインフルエンザワクチンは、感染力のない「不活化ワクチン」です。鶏の有精卵にインフルエンザウイルスを注入し増殖させて作ります。卵アレルギーのある人は接種できない場合があります。インフルエンザにはいくつかのタイプがありますが、現在流行しているのは、A香港型、Aソ連型、B型の3種類であり、これらの3種類の全部に対応できるよう混合型ワクチンになっています。インフルエンザワクチンを接種しても100%予防できるわけではありませんが、予防接種によって重症化を防ぐことはできます。施設などに入所されている高齢者の方にインフルエンザの予防接種をすればインフルエンザによる死亡率を80%程度減らすことができたという報告もあります。特に予防接種が勧められる人は、65歳以上の方、老人ホームなどの施設利用をされる方、肺や心臓に病気のある方、糖尿病や腎臓病で免疫が低下している方、高齢者・病気の方と同居されている方、人ごみの中で仕事をされている方などです。

 予防接種をしてから効果が出るまでに2〜3週間くらいかかりますから、12月中旬くらいまでに予防接種を受けておかれると良いでしょう。今年の冬から春にかけて中国を中心に流行したSARSと症状がよく似ていますから、高熱が出た場合にSARSと区別をするためにも特に海外に出かけられる方は予防接種を受けられることをお勧めします。

 あさくら診療所でも適宜予防接種を行っていますからお尋ねください。
あさくら診療所所長 河本一成

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肌の乾燥

 現在の日本人の肌は悪化の一途をたどっているといわれています。その原因は・・・

乾 燥

 肌にとって大敵なもののひとつに「乾燥」があります。冷暖房が普及し、室内の湿度は低く、空気そのものがひどく乾燥しています。冬場はもちろん、夏も冷房が身体に悪影響を及ぼし、(乾燥肌)を引き起こします。

偏 食

 偏食は肌にばかり悪いわけではなく、健康にとってひとつも良いことはありません。特に肉食に偏りがちな欧米化した食事は、肌にも良くないのです。

ストレス

 身体に様々な影響を及ぼすストレスですが、肌にも影響していることがわかりました。ストレスが高まると、皮下の血液循環が悪くなったり、ホルモンのバランスが崩れたりして顔色がくすんだり、脂ぎっているのに肌そのものがカサついたりします。

不規則な生活

 24時間化した現代の生活は、人間本来の生活リズムを崩してしまいました。特に不規則な生活は体内時計が狂って、肌の新陳代謝がスムーズに行われなくなりがちです。

乾燥肌のケアと予防

 入浴時のケアが大切です。体は毎日ごしごし洗い過ぎないように、また、洗ったあとも石けん分が残らないように十分にすすぎましょう。入浴で汚れや汗だけでなく、皮膚に必要な皮脂も洗い落とされていることが皮膚の乾燥の誘引となります。入浴後、全身に保湿剤を塗ると効果的です。

生活

 決まった時間に睡眠をとり、寝不足は避けましょう。毎日きちんとバランスの良い食事を取りましょう。不適切なダイエット、野菜や果物の不足は皮膚のハリがなくなります。かゆみを伴う人はアルコールや刺激物は控えめにしましょう。部屋が乾燥する場合は加湿器などを使用するとよいでしょう。室内湿度は60%程度が理想です。また暖房のききすぎには気をつけましょう。

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花粉症

 今年は冷夏の影響で花粉の飛散量は少なめ!?との情報があります。しかし花粉症はあるシーズンから突然に発症することがあり、去年までなんともなかった人が急に花粉症の症状に悩まされることもあります。アレルギー体質の人は要注意とされ、症状が出ていなくてもできるだけ花粉には触れない方が良いといわれています。同じ花粉症の人でも、花粉飛散開始の早い時期から症状が出る人もいれば、大量飛散の日だけ発症する人もいます。これは一説によると、人それぞれに花粉症が発症してしまう花粉の許容量があるためだと言われています。どちらにしても花粉症の症状を抑える対策とは、花粉を浴びる量を少なくすることが重要です。毎年2月から4月にかけて大量の花粉を飛ばすスギが、花粉症の大きな原因であることはよく知られていますが、花粉症を引き起こす植物は他にもたくさんあります。特にヒノキの花粉は、スギ花粉の飛散がおさまりかけた頃にたくさん飛び、その両方に反応してしまう人も多いようです。

花粉症の原因となる代表的な植物

樹 木

 スギ(2〜4月)

 ヒノキ(3〜5月) など

イネ科

 カモガヤ(5〜7月)

 オオアワガエリ(5〜8月) など

キク科

 ブタクサ(8〜10月)

 ヨモギ(8〜10月)

 セイタカアワダチソウ(10〜11月) など

 このように花粉は年中飛んでいます。自分はどんな植物に対してアレルギー反応があるのかを知っておくことは、予防する上でも大切なことです。血液検査で確定診断が可能です。

 花粉が多く飛ぶ日は、晴れて気温が高い日・乾燥して風が強い日・雨の日の翌日で晴れた日などです。外出時にはマスクやメガネの装着を。

 花粉症の主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみですが、この時期は、風邪症状との区別が難しい場合もあります。「私は花粉症だから」とか「私の場合は風邪だ」といった思い込みは危険です。花粉症の人が気がつかないうちに風邪をこじらせてしまうこともあります。自分の症状をよく観察して、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

 特に毎年、花粉症に悩まされている人は早めに対策をしましょう。現在内服薬のほか、点鼻薬・点眼薬なども幅広く使われています。

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肩こり

 肩こりは、筋肉の緊張が積み重なり、血行障害をおこし筋肉に老廃物が蓄積するためです。この溜まってしまった老廃物こそが、こりや痛みを引き起こす発痛物質ですから、「こる」「痛い」といった症状が現れるのです。しかも、そのままの状態で放っておくと、発痛物質がさらに筋肉の収縮を促してしまうので、症状はさらに悪化。肩こりの悪循環に陥ってしまいます。主な原因は姿勢の悪さ・冷え・運動不足・ストレスなどです。

肩こり予防のポイント

〔1〕正しい姿勢を・同じ姿勢を長く続けない…力を抜いて背筋を伸ばす、2〜30分毎に一息を、椅子の高さは適正に、目を疲れさせない

〔2〕肩を冷やさない…お風呂でよく温める、肩が冷えない服装を

〔3〕適度な運動を欠かさない…お風呂のあとが効果的、仕事の合間に運動を、(特に肩こりに効果的な運動は水泳です)

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