尿蛋白 蛋白(+)以上のとき
生理的蛋白尿といってカゼなどで高熱が出た場合や運動、食事の影響などで一過性に蛋白が降りるときがあります。その場合は心配ありません。心配ありませんが繰り返し出る場合は詳しい検査が必要です。
病的な蛋白尿とは、本来血液中に存在するべき栄養素である蛋白質が尿の中にもれ出している状態で主に腎臓の病気が疑われます。糸球体腎炎、ネフローゼ、腎盂腎炎、糖尿病、尿管結石、腫瘍といった病気が考えられます。 |
尿糖 糖(+)以上のとき
血液中のブドウ糖は全身の組織でエネルギー源として使われていますが、その値は常に一定に保たれており血糖値と呼ばれています。しかし、一定に保つためには必要なホルモンの分泌が不足したり作用されなかったりすると血糖値が高くなり、その値が160〜180mg/dl以上になると尿の中に漏れだしてきて尿糖(+)となります。
考えられる病気は糖尿病ですがさらに詳しい検査が必要です。 |
尿潜血 潜血(+)以上のとき
尿中に血液が混じっている状態で、腎炎、腎腫瘍、尿管結石、尿路感染症などの病気が疑われます。 |
ウロビリノーゲン ウロビリノーゲン(+)以上のとき
肝臓が弱っていて解毒能力が低下すると血液中に増えてきて尿へこぼれてくるものです。もともと肝臓の働きが良くない人では少しお酒を飲んだだけで次の日に出てきたりします。
血液検査よりも敏感で血液検査が正常でもウロビリノーゲンが異常の人もいます。 |
総コレステロール
220以上であれば高脂血症と診断される。動脈硬化や虚血性心疾患のリスクとなる。 |
HDLコレステロール
善玉コレステロールと言われているものでこれが多いと動脈硬化を抑える働きがあり運動により増加させることができる。 |
中性脂肪
測定時食事の影響が大きいので前夜より12〜16時間絶食後に採血するのがよい。肥満やアルコール摂取によっても高くなる。高値の場合、高脂血症、膵炎、脂肪肝、腎疾患が疑われる。 |
GOT・GPT
GOT、GPT:肝臓の働きをみる検査でGOT、GPTの値の比較で診断することが多い。アルコール性肝炎ではGOTの方が高くなり、肥満、糖尿病による脂肪肝ではGPTの方が高くなる。心筋梗塞発作後はGOTのみ高くなる。 |
LDH(乳酸脱水素酵素)
LDH(乳酸脱水素酵素):高値のとき、悪性腫瘍、心肺疾患、白血病、肝疾患が疑われる。 |
γ−GTP
アルコール性肝障害の場合、高値となる。肝臓胆道系の疾患がわかる。 |
ALP
ALP:高値のとき肝疾患(肝炎、肝硬変、肝臓癌)、胆道系疾患、癌の骨転移が疑われる。骨の成長中の小児の値は成人より3〜4倍高い。 |
ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)
高値のとき肝臓疾患、膠原病、骨髄腫が疑われる。 |
UA(尿酸)
高値のとき痛風、腎疾患などが疑われる。肥満、高血圧、アルコール過飲でも値は高くなる。 |
クレアチニン
体の老廃物で腎臓から尿中に捨てられるもので、腎臓の働きが低下したとき血中にたまるため値は増加する。 |
総蛋白(TP)
血液中の蛋白量がわかる。値が低いとき栄養不足、肝障害、腎障害が考えられる。 |
血糖(BS)
空腹時血糖が140以上又は食後2時間血糖が200以上であれば糖尿病と診断される。 |
赤血球数、ヘマトクリット
これが低下した状態を貧血という。ヘマトクリットは赤血球の体積の総和を示す指標となる。 |
HbA1c
採血前の2〜4週間の血糖値の平均値を示すもので糖尿病のコントロールの状況を示す指標となる。 |
心電図
1、心電図とは
心臓は血液循環のポンプとして働いていますが、この作用は心臓壁の大部分を占めている心筋の収縮で行われます。一般に筋肉が収縮するという力学的な現象が起こるためには、まず、電気的な興奮が起きてきます。心筋も例外ではなく電気的興奮により活動電流が発生し、体の内部に電流が流れます。心筋から発生する電流は非常に弱いので特殊な電気回路を使って大きくし適当な誘導法で記録したものが心電図です。
2、心電図でわかることは
循環器系の診断に欠かせない検査法で種々の情報が得られます。しかし、心臓病のすべてが心電図異常を示すとは限らず、また心電図だけで心臓病の全ての診断ができるものではありません。心電図はもともと心筋の興奮によって起こった電気的現象を記録するものなので、心筋異常からくる病気を診断するのに有効です。
もっとも診断に有効なのは心筋梗塞と不整脈でその他、心筋虚血(狭心症など)
心筋症、心筋炎など直接心筋が障害される疾患、心肥大などでも心電図上有効な情報となります。
3、基本波形
下図は健康なひとの心電図を拡大したものです。正常心電図では基本的に1心拍毎に3つの上向きのフレと2つの下向きのフレとが描かれています。これらのフレはアルファベットの文字で呼ばれています。
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