やましろ健康医療生協

健康あれこれ

 いざというときの応急手当



【やけど】

熱湯によるやけど
 冷やすことが肝心でとにかく水で冷やすこと。服は水をかけて冷やした後脱ぐこと。それから肌に直接水をかけて冷やす。約10分間は水をかける。その後、病院へ行くまで手持ちの軟膏などは絶対塗布しないこと。

低温やけど(あんかなどによるやけど)
 手足の感覚にマヒがあったり、感覚が落ちているお年寄りに多いので普段から家族が気をつけることが大切で、この場合も水を流して冷やすこと。

薬品によるやけど
 まず服の上から水をかけ、服を脱いで水をかけ続け患部の薬品を洗い流す。

●やけどの重傷度
T度
 皮膚の一番上の部分(表皮角質層)までがやけどで傷害されたとき
 患部は血管が拡張して赤く紅斑状となる。痛みは増しても数日でなおる。

U度
 真皮層まで傷害されたとき。
 患部に水疱ができる。水疱の下の皮膚が赤いときよりも白いときの方がより深く傷害されている。

V度
 皮膚の下組織まで傷害されたとき。
 血液の流れが止まり羊皮紙のような状態となる。

●9の法則
 

体のそれぞれの部分を9%ずつ数える。子どもの場合は5%。
 やけどで傷害された面積で重傷度を判定する法則です。
 外来の受診ですむのはT度で15%以下のものか、U度で2%以下のものです。それ以上は入院治療が必要とされています。


【中毒】 中毒事故が起きたときの原則的な応急処置

●吐かせてはいけないとき

○意識混濁があるとき
 意識がはっきりしていないとき吐かせると窒息の原因となり、また吐いたものが気管に入ると肺炎の原因となる。

○石油製品を飲んだとき

 灯油、シンナー、ベンジン、ガソリン等石油製品を飲んだとき無理に吐かせて気管に入ってしまった場合、出血性肺炎をおこし高熱が出る。
強い酸、強いアルカリを飲んだとき

 これらのものを誤飲すると、のどや食道がやけどをする。吐くともう一度やけどを繰り返すことになるので吐かせてはいけない。
 眼に酸やアルカリが入ったときも失明の危険があるので、15分間シャワー等で洗い流すことが必要。皮膚についたときも服の上から洗い流しそれから服を脱ぎ洗い流すこと。

●吐かせるには?
 上記以外の状況では吐かせること
 空腹のときは水をたくさん飲ませる。目安は体重1?あたり10〜15?程度。牛乳でも良いが防虫剤、ベンジン、シンナー、灯油、ペンキ、ラッカー等は脂肪に溶けやすい物質なので、牛乳は飲ませてはいけない。
 吐くためには舌の付け根の部分に指をつっこんで押す。子どもの場合は腰をかかえるようにうつぶせにして、子どものお腹を大腿の上に乗せて、頭を低くし、下向きののどの奥に指を深く入れて吐かせる。

●タバコを食べたとき
 タバコ1本で乳児2人分の致死量となるが、ニコチンは吐き気をもよおす作用が強いため吐いてしまうので、1本まるまる食べる事はない。ニコチン中毒の症状は吐く、顔が青くなる、脈が早くなる、体に力が入らないなど。
 危険なのは、ニコチンが缶に残ったジュース等に溶けているときなので注意したい。



【耳の救急】

 耳が痛いときは急性の中耳炎、外耳炎が疑われます。耳たぶを動かしてみて痛みが強くなるようなら外耳炎、痛みに変化がなければ中耳炎が疑われます。
 子どもの場合中耳炎は冬、外耳炎は夏に多くなります。耳の聞こえが悪い場合は、早めの診断が必要です。
 耳と関係の深いめまいは原因が考えられますがまず、普段の状態と比較してどうか、めまいがだんだんひどくなるかどうか、吐き気や嘔吐をともなうかどうかチェックが必要です。
 めまいとともに手足のしびれ、舌のもつれ、頭痛、頭が重い、のぼせなど複数の症状が伴うときは脳の血管がつまる脳梗塞の前触れ症状のことがあります。一過性の脳虚血発作でしばらくして回復することも多くありますが、症状がだんだんひどくなったり反復して起こるときは要注意で、早めに診察を受けましょう。


【外傷】

捻挫、骨折

@安静:捻挫も骨折も基本は安静です。動かさない、固定する、体重などの負荷をかけないことが大切です。骨折している場合、動かすと骨の周りの血管や神経を傷つけることがあるのでしっかり固定します。横になったときは腫れ予防のため患部をやや高めの位置におくようにしましょう。
A患部を冷やす
捻挫、骨折の直後から3〜7日間は冷やすことが原則で特に直後は氷や冷えた缶ジュースなど身近にある冷たい物で30分間は冷やすことです。これは患部の血流を減らした方が腫れにくくなるためで、暖まって血流を増やしてしまう入浴やお酒は禁止します。
B固定の仕方
痛みの一番少ない格好にして痛んだ所に副え木を当て、ひもやハンカチ、ネクタイなどの布でしばって動かさないようにします。副え木は短いと役に立たないので、けがをした場所の前後の関節にかかるくらいの長さの物を用います。新聞紙を丸めたり、木の枝、物差しでも結構です。何もなければ、指同士、脚同士をテープで巻くだけでも結構です。

出血している外傷

皮膚がぱっくり切れていたり、皮膚の下の脂肪や筋肉が見えていたり出血の多いときは受診して医師の診察をうけましょう。
縫合は6時間以内が原則でそれ以後は感染の危険が高くなり化膿しやすくなるため、早めに受診する。その場合、色の付いた消毒液、軟膏類はつけない。しかし
傷の中に砂や泥が入ってしまった場合は水道の水で良く洗い流した方が化膿しにくくなります。

止血法
出血している場所をきれいなガーゼ、タオル等で直接押さえます。5分間押さえていればたいていは止まりますので、途中で止まったかどうか開けてみるのはまた一からやり直すことになりますのでとにかく押さえ続けます。ひもや輪ゴムでしばる方法は採血するときと同じ原理で出血量が増し、しばった所から先の血流が悪くなって組織が痛んでしまい、治りが悪くなるので注意しましょう。


【のどの救急】

 ピーナッツなどの豆類やアメが気道に入り咽頭、気管、気管支などにつまると空気の出入りが完全に止まり、呼吸ができなくなります。
 まずは大きく口をあけつまも出せればつまみます。背中をたたいたり、電気掃除機で吸引するのも良いです。小児の場合は逆さに抱いて、のどの奥に指を入れてつまみだします。魚の骨がささる事故の場合、のどを空けて簡単にとれないときは、耳鼻咽喉科でとってもらうようにしましょう。ごはんをまるのみにして取り除く方法は、かえって悪くなることがあるので注意しましょう。
 高齢者に多い餅の事故では、口が開く場合、スプーンか箸の太い側を口の中に入れ餅を移動させ、隙間を作り少しでも呼吸が可能となるようにします。
 口が開かず、意識がはっきりせず、しちびるが紫色になってくるときは急を要します。体をあおむけにして顔を横に向け、馬乗りになり両手のこぶしでミゾオチをすばやく圧迫します。これを何回もおこない餅の移動をおこないます。どちらも応急処置で早めに医療機関で処置を受けましょう。


【救急患者の観察ポイント】

 救急患者を目の前にしたとき、患者が今どういう状態にあるか、何を援助すればよいか、あわてず、落ち着いて観察を心がけることは救命に役立ちます。

意識のある、なしを観察する
 意識があるかないかは、心肺蘇生法をおこなうときの大切な判断材料となるため、意識の有無をチェックします。
 まず、声を出して呼びかける。反応のない時は肩をたたく、皮膚をつねるなどの刺激を与え、反応の有無をみます。目を開けるかどうか、言葉を出すか、手足を動かすか観察します。
 何も反応がなければ重症です。

呼吸の状態を観察する
@患者の胸をみて、上下に動いているかみる。
A患者の鼻や口に耳を近づけて、呼吸する音が聞こえるかどうかみる。呼吸する音が聞こえてもゴロゴロ、ヒューヒューという場合は、舌の付け根が沈下して、空気の通り道をふさいでいるか、異物が詰まっている可能性があります。
B顔を患者の口に近づけて息が頬に感じるかみる。
※呼吸状態の観察は意識がある患者の場合でも大切なことです。

脈拍を確認する
 頸動脈の脈拍がふれるかどうか観察する。
 顎先を拳上させ、のどぼとけの部分で人差し指と中指をそえて、のどぼとけの脇へ軽く押しつけて脈拍の有無を確認する。ふれなければ心臓が止まっているので、心臓マッサージが至急必要です。
 救急蘇生法は一般の人がだれでもできるわけではないので、出来ない人は手を出してはいけません。救急隊員が到着するまで、これらの上記の観察が出来れば役にたちます。


 

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